「DIVA」

(※これは(勝手に)ART-SCHOOLSPITZGRAPEVINEの楽曲を全曲解説していく途上で遺跡となってしまっていたBlog「Self Service」の移植記事です。移植日:18/6/22 オリジナルのポスト日は投稿日時参照)

 

ART、東芝EMIからのメジャーデビュー初の1st single。

【特徴】
・ジャケはRadioheadのThom Yorkeの弟、Andy Yorke率いるバンドUnbelievable Truth『Almost Here』のオマージュ。
・ライブで演る曲は少ないものの「レモン」を始め、隠れた名曲の多いシングルなので廃盤になって以降、高値で取引されているのがもったいない。

2002年10月リリース。

DIVA

DIVA

  

 

1.DIVA
タイトルは、フランス映画の『ディーヴァ』からのもの。
<<Touch Me~>>のフレーズの展開は、U2「Hold Me,Thrill Me,Kiss Me,Kill Me」からか。
初期の代表曲の一つ。
陰鬱ながら、ポップで吸い込まれるようなイントロから木下氏の絶叫、サビのギターのディストーション全開具合やリズム隊のドッシリした雰囲気など第一期ARTの良いとこどりといった曲。
もちろん、ライブでもよく演る曲で普遍的な輝きを持つ名曲。
PVではトンネルを木下氏が憂鬱そうに歩きながら、擦れ違う人々の妄想を見るというもの(なぜか櫻井氏はお化けになってぴょんぴょん跳ねている笑)。


2.メルトダウン
後に、アルバムにも入る曲。
歌詞の「ノースマリン」は、Ben Wattからの引用。
この曲は流れで聴くと良いと思えるけど、単体で聴くと典型的なARTの曲でどちらかと言うと地味な方だが、シングルでもアルバムでも良い流れになっている。
<<君は笑って死んだ、死んだ>>などの部分のリズミカルなボーカリゼーションは、The Wannadies「Shorty」のサビ前部分のヴォーカリゼーションからか。
ロレッタという女性の名前が素敵。


3.レモン
めちゃくちゃ90'sパワーポップな曲。タイトル的にもThe Lemonheads的なパワーポップを感じる。
ほぼ2分ちょうどに収まる感じとか曲全体のコンセプトが若干Blur『Song 2』に似てると思う。ハンドクラップがアナログのリズムマシンから出しているかのような感じで素敵。
<<彼女は死んだ>>と明言されているファンには隠れ人気の高い曲。
戸高氏は第一期ARTの中で三本の指に入るくらい好きとMARQUEE誌で公言していた。


4.TEENAGE LAST
ベース主導の穏やかな曲。タイトルは木下氏のソロアルバムから使い回しであり、Bメロの部分は後に「Bells」で使いまわされてるフレーズ。
歌詞がすごく残酷で少し観念的。淡々と歌う木下氏とバックの演奏が終末っぽい感じを滲み出させている。